Column
こんにちは。宍戸ペイントサービスの宍戸です。
今回は、スレート屋根の塗装工事でよく話題になる「タスペーサー」について解説します。
「名前は聞いたことがあるけど、実際必要なの?」「使わなかったら雨漏りする?」そんな疑問にプロの目線でお答えします。
この記事の目次
タスペーサーは、スレート屋根(コロニアル、カラーベスト)を塗装するときに、屋根材の重なり部分のすき間を確保するための部材です。
厚み2mmほどの小さなパーツですが、雨漏りを防ぐための重要な役割を担っています。
スレート屋根は、重なった部分に雨水が一時的に入り込んでも、適切な排水経路があれば問題ありません。
ところが、塗装で重なり部分を塞いでしまうと、雨水が内部に溜まり、下地を腐らせたり、雨漏りの原因になることがあります。
以前は、塗装後に「縁切り」という作業を行って、目地をへらやカッターで手作業で開けていました。
上の画像のように重なりの部分を器具で開けてみると屋根材の裏側にたまっていた水が流れ出てきます。
この水がスレート屋根を傷ませる大敵なのです。
雨漏りをしないようにだったり傷ませないように塗装したのに塗装したのが原因で屋根がかえって傷んだり、雨漏りの原因になってしまってはとても悲しいですよね。
縁切り作業にはいくつか問題点があります。
そこで、事前にすき間を作っておくために登場したのが「タスペーサー」です。
タスペーサーは厚さ2mm、幅4.5cmほどの小さな部材で、これを屋根の塗装を仕上げる前に屋根材と屋根材のすき間に入れていきます。
ただし、万能ではありません。
タスペーサーは便利な部材ですが、すべてのスレート屋根に使えるわけではありません。
建物の状態によってはタスペーサーの必要がない、むしろタスペーサーをしたせいで不具合が起こる場合があります。
下の写真をご覧ください。
これは私たちが診断に行った屋根の写真です。
前回の塗装で差し込んだタスペーサーが抜け落ちています。
なぜこんなことが起こったのか?
スレート屋根は、紫外線を浴び続けると、屋根材が反り返ってくる特徴があります。
新築時は屋根材の重なりにすき間がなくても、築年数が経過すると自然とすき間ができてきます。
このようにもともとすき間があるものにタスペーサーをいれたらどうなるか。
先の写真のようにずり落ちてしまいます。
屋根全体に入れたタスペーサーが全てずり落ちてしまったら・・・雨樋の中に落ちて詰まりの原因になったりしてしまいます。
スレート屋根の塗装には「タスペーサーが必要な屋根」と「不要な屋根」があります。
一律に「使うべき」と断言できないのが、この部材の難しいところです。
大切なのは、屋根の状態をしっかりと診断し、適切な施工方法を選ぶこと。
ネットの情報に振り回されず、信頼できる塗装業者に相談するのが、屋根を長く守る一番の近道です。
🎯 まとめ
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